2021.02.03 / BLOG デザインと開発(Design & develop of products)
「PERSONAL URBAN VEHICLE 」デザインコンセプト考 (長い話になってしまいました)
5LINKS の開発は15年以上前に、公共交通機関との共用を前提としたデザインの移動体として、始まりました。
東京などの大都市は公共交通機関が発達しているので、エコで便利な乗り物が、公共交通機関と楽に併用できたら、ガソリンマイカーの減少とともに、どんなに便利な社会が訪れるか、と考えたからです。
ですから
開発当初は自転車の型に拘らず、スケートボードやキックボードなどのデザインも選択肢にありました。
当時、小児遊具であったキックボードが大人用としてちょっとしたブームになり(JD laser)、またセグウェイなどの電動走行体も話題になっていました。
実際には、実用上で都心部などでの歩道段差の乗り上げや、社会の電動走行体に対する法規的な制約から、14インチ(現在16インチ)小径の折りたたみ自転車のデザインになって完成を得ました。
この時に付けたコンセプトコピーが表題にある
「PERSONAL URBAN VEHICLE」です。
(都市社会に馴染む移動体の意です)
それでも、この10年の流れの中で、鉄道会社の車内輪行規定の厳格化に合わせ、より利便性あると思われる5LINKS2の開発や密封型コロ付き輪行バッグ「リンコロ」の開発をしたなどの経緯がございます。
最近、新型コロナの影響で日本のライフスタイル変化を実感しつつ、また、自転車レーンなどが「形」として拡大しているなかで、
都市部の公道ではナンバーをつけなくては乗れないはずの、違法電動キックボードが通販で売られ、明らかにモペットのはずの電動サイクルが漕いでいれば自転車扱い、と言うような法律の角をつつくような移動体が街で散見されるにおよび、、、
今の日本社会が求める「安、楽、便利」の移動体が何なのか、再び疑問となり始めておりました。
そんなおり、今朝の自転車通勤中、皇居お堀端の国会議事堂付近の歩道(皇居ジョギングランナーのよく走る歩道です)でゆっくりと1人ぽっちで走る電動車椅子の姿を見つけました。後ろには杖が固定されています。
一度通りすがりに覗くと、品の良い、しかしかなり高齢の女性です。。
この辺りは左にお堀、右には国立劇場や国会議事堂などしかなく、とても人が住んでいる気配はありません。
今来た方には半蔵門駅が5〜600m,先には400m位に祝田橋のメトロ駅がありますがそこに向かっているのでしょうか?
あまりに気になったので引き返して声をかけて見ました。「失礼ですが、どちらへ行かれるのですか?」
すると、おばあちゃんは上品かつ江戸っ子のようなハキハキとした口調で
「麹町の自宅から銀座4丁目の方へ、、」
私「お散歩ですか?」
彼女「いえいえ用事があるので、、」
私「バッテリーは大丈夫なんですか?」
彼女「18キロは走れるんですよ。こんな状態なんで、他のもの(公共交通機関と思います、、)が使えないし、皆様にご迷惑をお掛けしますし、、」
私「お一人ですか」
彼女「ええいつも、、」
2〜3分立ち話をして
私「お引き止めして申し訳ない、お気をつけて、、」
と、その場をはなれました。
うーむ、後でGoogle mapで調べたら、麹町、銀座4丁目の距離は徒歩で3.1キロ42分の距離とあります。
あの車椅子の速度だったら1時間以上は掛かるのでは、?
また、帰りの祝田橋から半蔵門までは結構な長い上り坂です。
私も毎日杉並から中央区まで片道1時間余自転車通勤してますが、おばあちゃんの片道1時間はそれはそれでリスクのある冒険だろうなー。。
でも電動シニアカーよりは使い勝手が良いんだろうな、、
彼女の発想と行動力、道具の使い方に感服をいたしました。
でも少し不安が残ります。。
「PERSONAL URBAN VEHICLE 」のデザイン
私も近い将来はこの世代です。
こんな方々をもっと安心にサポート出来る物作りが出来たら良いな、、と思いました。
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