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2016.06.26 / BLOG デザインと開発(Design & develop of products) 

「日々是改善」(ひびこれかいぜん)2 防水キャップ

がくアジサイ

梅雨ですね。
6月5日につづき、アジサイの話です。
近所のアジサイの花弁が散りはじめました。と思ったら、種類が違うらしいのです。
「ガクアジサイ(額紫陽花)」というのだそうです。
紫陽花は日本固有の品種だそうで、原種はこの「ガクアジサイ」や「ヤマアジサイ」(山地に自生するもう少し小型のもの)で
それを江戸時代の西洋人がヨーロッパに持ち帰って、いろいろな色や、てまり状に花が咲くように改良したんだそうです。
またまたそれを、近代の日本人も真似て、改良を繰り返し、多品種が出回っているのだそうです。
知らなかったー。
*ちなみに私が「花弁」と書いてあるものは、実は「装飾花」というもので、本当の花は中心部の小さなゴマのような部分です。

それにしても、私は子供の時から、カレンダーなどの挿絵の、花弁でいっぱいのアジサイを見慣れていたので、それがオリジナルだと思っていました。
さらによく調べると、上の「ガクアジサイ」も改良・または原種ではないようで、原種は先日写真をアップしたもの(花弁が4枚のもの)らしいのです。

IMG_1677
日本固有種に近い「ガクアジサイ」

一番上の写真は、静岡県で発見された、「伊豆の華」とか「城ケ崎」というものに近いのです。花弁が八重になっています。

いろいろな種類があるのだなーとびっくりです。

まだ、花弁いっぱいの紫陽花はピークの状態ですが、ガクアジサイは散りはじめています。花の期間も短いし、可憐な感じのアジサイですが、それを華やかな種類に改良したのが欧米人で、それが地球を一回りして、また、近代の日本人がそれを珍重し、改良を重ね、多品種のものが、私たちの市場に出回っているというのも、不思議で、面白いことだと思いまね。
お花の「グローバル化」ですね。

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「防水キャップ」
5LINKSのリアブレーキとリアディレーラーのワイヤーはトップチューブ前半から入って、後から出てきます。

8年前に5LINKS1の開発が始まったときには、2本のケーブルが同じ場所から入る、アルミ製で既製品の防水キャップがありませんでした。
そこで、簡単に選択できる方法として、トップチューブに楕円形の穴をあけ、それに適合する「ゴム製」の防水キャップを選択しました。

防水キャップ1
5LINKS1 ゴム製の防水キャップ

しかし、実際に組み上げてみると、キャップが外れやすいことが分かり、それではということで、トップチューブの入り口を、楕円のままにし、ケーブルが傷つかないように穴のヘリを「面取り」して使用することにしました。

防水キャップ2
5LINKS1 防水キャップなしの量産型

4年前の5LINKS2の開発では、ケーブルの穴から、チューブの内部に雨水が入る可能性を考え、また、ケーブルアウターが傷つく可能性考え、防水キャップを選択することにしました。
細かい話ですが、アルミ製の防水キャップはフレームに溶接して留めるので、穴のあけっぱなしより、フレームの強度の低下も防げるのです。
その当時、やはりアルミ溶接タイプの5LINKS2にちょうどいい「2本のケーブルが入る防水キャップ」がなく、泣く泣く「1本が入るキャップを2か所設けることにしました。
その際、トップチューブの片側に至近距離の2個の穴を開けると、パイプのスペース不足とフレーム強度不足の可能性が出たので、左右1個ずつ開けることにしました。

防水キャップ3
5LINKS2 初期型防水キャップ 1穴左右振り分け型

ケーブルワイヤーがフレームの左右から入り込むデザインでした。
しかし、販売してみると5LINKS2のヘビーユーザー(短期間に何千キロも走ったそうです)から、「左から入るケーブルのアウターが、頻回のハンドル旋回で、傷つく」という症例が出、改善をすることにしました。

そこで、いっそのこと5LINKS専用のスペシャルのアルミ製防水キャップを作ってしまおうということで、
軽量化と強度、5LINKSのケーブル挿入角度にちょうどいい穴角度のキャップをCNCで作りました。

防水キャップ4
5LINKS専用 防水キャップ

台湾で製造するメリットというのは、工場とのモチベーションがうまく取れれば、専用のパーツが比較的容易に開発できるところでもあります。それでも、少量生産の5LINKSでは、関係者に大変お世話になりますが・・・
日本でCAD図面を使って、CNCで作ることもできますが、大量に作る場合は別にしても、少量であればかなりのコストがかかります。
以前に記載したように、台湾で開発するということは、他の量産車にも使用できる可能性のあるパーツであれば、「アルミの加工工場さん」は喜んで?作ってくれるわけです。その代わりオープンモールド(公開され他社が使ってもいいパーツ)となりますが。
2010-11年度の台湾のパーツガイドには載っていなかったものが、
2015-6年度のパーツガイドでは、複数の企業で多種多様の「多穴のアルミ製防水キャップ」がカタログに載っている状況です。

防水キャップ5

もちろん全ては我々の開発したもののコピーというわけではありませんが、ほぼ同じころに、同じような要望を持つ顧客が存在したことが考えられます。
また、誰かがそれを作ってみて塩梅の良いものだと、いっきに多くの需要が生まれてしまう。そこで、製造基盤のある国が独占的に多品種のものを作り、あっというまに市場を席巻してしまう。
他の国は「この程度の技術のことはいつでも作ることができるよ」とタカをくくっている間に、市場そのものを構築できなくなる。
「インフラを取られる」ということのいい例だと思います。

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