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HMB

来る2017年1月21(土)・22(日)日に行われる「2017ハンドメイドバイシクル展」に参加します。
5LINKSは初めてのブース参加となります。
(正確には、5年ほど前に同展示会の「オモシロ自転車試乗コーナー」に参加したことがございます)
開発中の700cを出展できればと考えております。
ご来場をお待ちしております。

科学技術館:東京都千代田区北の丸公園2番1号
主 催:自転車文化センター
展示期間: 平成29年1月21日(土)、22日(日)  入場無料
日 時:9時30分~16時50分

http://www.cycle-info.bpaj.or.jp/

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(写真は2016の展示会より)

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今年もクリスマスの時期となってまいりました。
我が町にもクリスマスイルミネーションを飾る家々がポツポツと・・・
そんな中、はやばやとサンタクロースを発見しました。
二階のベランダから何かを叫んでいるようですが・・・・


 

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さすがに師走となると、商材の動きが鈍くなりますが、こんな時期、169と165ブルー・ゴールドをお買いあげいただいたお店がございます。
5LINKSを立ち上げて以来、初めてのお取引です。
「じてんしゃひろば 遊」さんです。
http://www.chari-u.com/
愛知県小牧市郷中1-197
電話 0568-75-5802

以前より、東海地域で小径車・折り畳み車の販売では有名なお店であることは存じ上げておりました。

自分への??「クリスマスプレゼント」に5LINKSを是非どうぞ・・・

当社にとっても、嬉しいクリスマスプレゼントとなりました。

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12月、冬になり、武蔵野は「紅葉」ももうおしまい。
空気も乾燥し風が吹くとパラパラと落葉です。
日暮れの時間も早くなりました。
四季のはっきりしている日本。それぞれの季節に美しさがあります。


開発中の700cサンプルのフレーム用アルミ部材が出来上がってきました。

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サンプル用なので、5000番系のアルミ合金です。当初の図面通り、公差精度もしっかりとした仕上がりです。今回の部材は全て国内製造です。
パイプ部分も完成したようです。
これを、国内の溶接工場に送り、フレームを作ります。

今回の700cの開発に関しては当社のポリシーである「日本から発信する発想とデザイン」のコンセプトを主軸に「部材の調達」から「組み上げ」までの流れをできるだけ日本で行うことにこだわってみました。

今後、どのような展開になっていくのでしょうか。
現場ではワクワクしながら作業が続きます。

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シンガポールの自転車雑誌に紹介されました。
雑誌の表紙を飾れたのがとてもラッキーでした!!
初代5LINKS1が2010年に「GOOD DESIGN賞・中小企業庁長官賞」をいただいた時以来と思います。

記事・広告としても掲載されています。
広告文に「日本語」が使われているのは面白いです。
私はシンガポールに未だ行ったことがないけれど、マーライオンのそばを5LINKS走っているのかしら・・?
不思議な気持ちです・・・

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5LINKS was introduced in the Singaporean bicycle magazine. Amazingly it made the cover!
We are as much excited about this as early 5LINKS got the 2010 Good Design Award of Small and Medium Enterprise.

The articles and the advertisement also run in the magazine.
Quite interesting ”Japanese ” are used for the header.
Although I have not been to Singapore yet, very thrilled imaging 5LINKS passing by the Merlion! Fantastic!

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東京駅2

あっという間に「師走」です。銀杏も紅葉し、東京も、もう急速に冬支度です。

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今回ご紹介のお店は、「早稲田大学」のすぐ目の前、新目白通り沿いにあるお店「エスビット」さんです。
じてんしゃ工房 エスビット
東京都文京区関口1丁目32−3
03-5273-5568
https://www.facebook.com/%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88-433305340101128/

住所は、文京区関口とありますが、「早稲田のエスビット」というのがピッタリです。
都心も都心のお店なのですが、広い道に面し、正面に早稲田大学、リーガロイヤルホテル、背面に椿山荘ホテル(フォーシーズンズホテル)の丘陵を背負い、文教地区でもあり、なんとなく高級感の漂う立地なのです。

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一般車から高級ロードバイクまでが、所せましと、壁につりさげられております。それだけでは足りないと、タンデムバイクのフレームや面白い自転車が、天井からつりさげられたり、張り付けてあります。
なんか、国際宇宙ステーション(ISS)の中のような感じです。

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また、壁の一部には、カンパニョーロの専用工具などが機能的につりさげられており、整備力の高さを伺わせます。

実は、私も6-7年前だったか、夜に急に「ヘッドグリス」が必要で、行き当たりばったりにこのお店に飛び込んだのですが、、、
「ヘッドのベアリングに使うグリースを下さい」との問いかけに、
お店の棚から、沢山の種類のグリースを出してきて、「どれにします??」というやり取りをした覚えがあります。
「こんなにいっぱいあるんですか?」と聞くと、
穏やかそうなスタッフの方が笑いながら「売るほどあるんですョ・・・」との返事、「うちは、ドンドン使ってしまうので、たくさん用意してあるんですよ。」
との事。こんな思い出が、いまだに頭に引っかかっているお店です。

いつかこんなお店に、5LINKS置いてもらえればなー、と思っていたのでした。
現在は165 Kuro/Momo を展示していただいております。

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2016/11/22 14:55

2016/11/22 14:55

寒くなりました。が、新規店舗(展示品あり)のご紹介です。
「le cyc Hiroo ルサイク広尾店」です。
 http://www.cyclespot.net/shops/%E3%83%AB%EF%BD%A5%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E5%BA%83%E5%B0%BE%E5%BA%97/

東京都渋谷区広尾1丁目108
電話: 03-6408-5814

明治通りを渋谷から天現寺橋方面に向かう、いわゆる広尾町の表通りに面した自転車店です。
ハイソな香りのする、グッドロケーションのお店です。

2016/11/22 15:03

2016/11/22 15:03

いろいろな車種の自転車が、とてもきれいに展示されています。
店員さんも、きびきびとお客さんの対応をしています。
Koh-Haku とKuro/Kinn の165を置いていただきました。

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full moon1

11月14日は68年ぶりの「スーパームーン」の日でした。あいにく関東地方は雨。
と、予報で言っていたので、、、前日(日曜日)の夕刻、自宅の近くを歩いているときに、スマホで簡単に写してみたのですが、東京地方はうす曇りで、大きかったけれど、やっぱりボヤーとしか月が出ていませんでした。
地球的に、すごいことが起こったのに、スカッと楽しめませんでしたー。
ピンボケではないのですよー。。
 


 
さて、5LINKSでは700cの開発を開始しており、サンプルフレームがサイクルモードショーまでに間に合えばよかったのですが、、、そこは、いつものように、作業が後手後手に回り、残念ながら、完成車体でお披露目することは、できませんでした。ザンネン。。。

発表までの間に、少しづつ、開発コンセプトや、経緯を記述していこうと思います。

700c開発、第一回に記載したように『簡単に「輪行」の状態にできる「本格ロード」』が、5LINKS700cのコンセプトですので、これを実現する要素を考えました。

現代的ロードバイクは、ハイスペックのもので、カーボン製であれば7kg前後、アルミ製であれば8kg前後、その他チタンや鉄素材が考えられますが、やはり輪行バイクといえども、その辺の重量にまとめたいのです。
また、私が考える「輪行」のスタイルにするためには、やはり何らかの形で、フレーム本体を簡便にサイズダウン(折りたたむ)したいという希望がありました。

従前の5LINKS14・16の開発項でも記述したように、折り畳み機構をフレームに組み込む場合、「蝶番」を設定すれば、「重量の増加」と「剛性の低下」のリスクを負わなくてはいけない。
(2016・5.11「デザインコンセプト」7 折り畳み蝶番)
https://5links.jp/archives/category/blog/design-and-develop/page/2

また「折り畳み小径車」等のジャンルに入るものはデザイン自体が「カワイイ」や「面白い形だ」という評価で流せる部分も、ロードバイクの場合は「走行フィーリング」が基本であり、そのスペック自体でしのぎを削っているブランドが沢山出ているので、デザイン上ギミックだから面白いけど重量が重いと言うような妥協や、乗り心地に影響するような、機構として危なっかしい折り畳みデザインは許されないと考えました。

すなわち、ハイスペックのロードバイクを目標とすると、デザインの許される範疇がかなり絞り込まれてしまうと考えたのです。

人間の脳みそとは不思議なもので、何かを発想しようとする場合、過去に自身で経験して良さそうであったものを基礎に考えようとするようです。

そういう意味では、デザインをする人は経験値の大きさがものを言うようなので、大きな会社で、いろいろなデザインの自転車に接してきている人や、自転車の世界に造詣の深い方はイイナーと、少しうらやましく感じながら開発を進めました。

私の場合は、学生時代に行っていた「ロードレーサーの輪行」経験と、二十数年前に考えた、輪行ロード「FASTRAM」を前提に発想を進めました。
(2016・4・10 「デザインコンセプト」3 社会に出てからの自転車利用)
https://5links.jp/archives/category/blog/design-and-develop/page/2
コンペ3

すなわち、デザインのポイントとして以下の課題を設定しました。
1、車輪の前後輪を外して、輪行時のサイズダウンを行おうということ。
また、
100年以上自転車の世界で、パイプで組み上げられる定番のデザイン形状である
2、ダイヤモンド型フレーム形状を尊重し、そのどこかを畳んでフレームそのもののサイズダウンを図ろうと言うものです。

1、に関しては、とくに後輪の取り外しを簡単にできないか?
に注目しました

2、に関しては、どのような折り畳み機構をどこの設定すれば、重量の軽減と、剛性感の維持ができ、ドライブフィーリングを損なうことない形状を作れるのか?

この課題を、新しいデザインで処理しようとしたのです。

その結果、車輪の取り外しに関しては、過去に、実用品として存在していた「インターチェンジハブ」の機構を利用し、
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(インターチェンジハブ)

フレームに関しては、過去に、マウンテンバイクに使用されていた、アンプバックタイプ・フレームにヒントを得て、前三角はリジットなダイヤモンドフレーム形状としました。

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(アンプリサーチ社 B3)

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(サイクルモード2016 展示パネル)

以下、続く

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silk bike

サイクルモードも盛況に終了いたしました。
興奮も冷めやらぬうち、引き続き当ブース展示品の紹介です。

絹自転車製作所、(シルクサイクル:埼玉県)
http://www.silkcycle.com/

1960年代、日本の自転車でオリンピックに挑戦した「シルクサイクル」の名を再び冠し、さまざまな種類の自転車を製造する絹自転車製作所のA氏。
私にとっては「師匠」と言わせていただいている立場の方です。
学生の頃より自転車競技活動で活躍し、
自転車の歴史、構造、材料、製造、新しい製品の開発等、自転車にかかわるハードの面のほか、業界、製造工場、個人小売り店から大メーカー、量販までを渡り歩き、企画、マーケット、販売経営、アフターフォローまで、自転車にかかわることは細かいことすべてに精通している方です。
すなわち、現代における、自転車業界の百科事典のような方ではないでしょうか。

そのA氏が、今回のサイクルモードに関し、突然「お宅のブースで展示してほしいもんが1台あるんだけど」と言われたのです。

「??彼の製造したスペシャルな自転車?なぜうちに?ハンドメードバイシクルコーナーにでも展示すればいいのに。。??」と、少々不思議に思いましたが、お見せしていただいたものは、、、
H×W×D:100×60×60㎝位のロボットのようなものでした。

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「何ですか?これは」という私の問いに、
「これはね、電動アシスト自転車用の作業台」
と言って、15分位とうとうと、作業台に関しご教授いただきました・・・・

要約すると
・日本の自転車市場では、近年、電動アシスト自転車の需要が急速に増えている。
・よって、既存のお店で、電動アシスト自転車を取り扱う小売店も増えている。
・しかし、電動アシスト自転車は、一般の自転車に比べ重い。
重いものは30kgになる物もある。
・これに対する整備作業環境はあまり良くない。
すなわち、一般の小売り店のバックヤードは一般車用に狭い場合が多く、大きな作業台は設置できないため、従業員は、無理を承知で、重いアシスト自転車を、自身で持ち上げ下し、腰を痛めるケースが多い。
・場合によっては「労災」扱いになる故障にもつながる。
・今までにも、重量車用の作業台は販売されているが、構造が複雑で大きなものである。

・そこで、作業者の作業負担を軽減するために、省スペースの「電動アシスト自転車用、油圧式作業台」を作製した。

とのこと。。。
「自転車好きの自転車屋が、自転車で体壊しちゃカワイソウでしょ」
なんとも、プロの方々には福音の話ではないでしょうか。
シブい、シブいけれども新しい..!
業界の内情に精通したA氏ならではの、愛情あふれる作品です。

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希望小売価格は15万円程度になる予定だそうです。
お問い合わせは、5LINKSも扱っていいただいている卸会社

㈱エンマバイシクルワークス へ。
http://www.enma-bicycle.co.jp/top.html
〒343-0824 埼玉県越谷市流通団地1-1-9
TEL 048-961-8470 / FAX 048-961-8471

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cycle mode1

ついに始まりました、サイクルモードです。
金曜は、主にB to B day と思っていましたが、お天気が良かったのか、午前中から一般の方も含め、お客様が結構いらっしゃいました。
やっぱり、さすがはサイクルモードショーです。

今回から、個別に当ブースで出展しているブランドに関し、説明を少し・・

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ORBIT DESIGN(ホイールセット)

今回、初参加の、ORBIT DESIGNは、自転車生産国、台湾のニューカマーです。

残念ながら、我々日本は時代の流れによって1980年代を境に「自転車王国」の座を明け渡してしまい、現在、世界中のミドル・ハイエンドの自転車の90%以上は、台湾もしくは台湾資本のメーカーが生産していることは周知の事実です。

我々の目には、台湾の自転車と言えば、例えば「GIANT」や有名なブランドだけが目につきますが、自転車は数百のパーツから構成されていますので、その裾野のパーツメーカー群を、おそらくは千社以上抱えているということです。
もちろん、さらに裾野の裾野の部品は、製造コスト上、中国や南アジアの会社の生産であることもありますが、組み上げの関係上、結局のところ目ぼしいパーツは、台湾国内に集約されてきます。
台湾主催の展示会に足を向ければ、その姿・すそ野の広さの一部をかいま見ることができます。

自転車という産業に限らず、一般の工業は、その裾野の広さによって、頂点に立つ完成品ブランドの位置決めが決まると思います。

例えば、自動車であれば、日本は現在自動車王国と言われ、自家用車のほかトラックバス等も入れれば、14-15社の名の通ったメーカーが国内に存在します。
小さな国なのに、こんなにメーカー数が多い国は、世界のどの先進国にもないはずです。
しかし私は、そのブランドではなく、裾野に注目します。
日本には、完成自動車メーカー以上に、自動車業界で世界的に有名な部品メーカーが沢山存在します。
ユーザー目線では、ドイツのM社やB社、W社などのほうがハイスペックの車を作っているという方もありますが、それらの会社の部品のうち、本当に高品質が求められる部品の多くは、日本製もしくは日本の素材製、OEであるはずです。
すなわち、自動車における日本ブランドの立ち位置は、「下請け自動車部品会社」と言われる裾野の広さ・厚さと、その技術産品の高品質がそれを支えていると考えます。

振り返って、自転車であれば、やはり、現在の台湾の自転車産品の裾野はとっても広く、重層的であると思います。

では、このような事態が続くとどのようなことが起きるか?
という、良い例が、今回出展している「ORBIT DESIGN」社であると思われます。

突然変な例ですが、
毎日毎日、数少ない食材しか食べない生活をずっと続けている国では、国民の生涯の食生活は皆、質素になるでしょう。
しかし、毎日の食生活が豊かであると、面白いメニューやレシピを考え始める人が、自然発生的にぽつぽつ出てくる。
最近話題の「日本のラーメン文化」などはこれを代表していると思います。。。
豊かな食生活環境が、斬新で面白い「味」を創造している。

自転車王国の中で、沢山の情報や製品環境の中にどっぷりつかって生活しているエンジニアは、いろいろなものを見て観察しているうちに、取捨選択の上で、的確に「新しいもの」を自然体で発想・創造していくことができる。
そしてスモールビジネスを何の抵抗もなく立ち上げる。
別に、大メーカーではないけれど、周りの設計、製造や、テストにかかわる環境をフルに使いながら、少ない労力で、最適なものを作り上げられる。

そんな、知恵とエッセンスが、ORBIT DESIGNの商品の中には随所に織り込まれています。
この会社の得意分野は基本的に、コンピューターを駆使した、設計と生産品の分析と解析です。

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まず、そのコンセプトは、ハブ、スポーク、リムそれぞれのパーツが高性能であることは基本ですが

*ホイールをハブ、スポーク、リムの一つ一つのパーツとして、スペックを考えるのではなく、「ホイールセット」を3つで構成されている「一塊のモノ」として性能を発揮するように考えて、すべてを同時並行的に開発していること。

もちろん最近の、ヨーロッパを中心とするレースシーンでは、この考え方が主流になってきているようですが、発想の出発点が違うように考えます。

ヨーロッパでのレースシーンでの「ホイールセットを一塊のモノと考える」という流れは、
まず、高性能なハブ会社が軽量でスムーズなハブを作っていたという歴史があり、
次に、リム会社も、軽いリムを作った。さらに、それらを軽いスポークでつないでみた。

しかし、後輪のスポーク長は左右非対称だし、車輪全体のパワーバランスをどうとるか?単体では高性能と言われるハブとリムとスポークの組み合わせたはずなのに、何故かレースのタイムに出来不出来ができてしまう事実に対して、ようやく、「ホイールセットを一塊に考えて性能を出そう」という流れが起き始めた。

すなわち、各パーツをそれぞれ別のパーツメーカーからの供給を受けて組み上げる習慣に基づいた「歴史的事実」がレースシーンで問題を提起してしまい、それの対応として上記の発想が出てきたということです。

一方ORBITでは、台湾国内で生産されるいろいろなパーツと、作り出される組み合わせを眺めていて、初めに
「なんで、車輪一塊で性能を向上させるよう、あらかじめ設計しようとしないのだろう・・?」
という、疑問が開発の原点となっている。
先入観・分け隔てなくいろいろなパーツの解析・分析をする人らしい目線です。

各パーツのメーカー内にいたエンジニアや、供給されたものだけを組み合わせていた現場の人ではなかなか発想ができない視点を、生産国の利点を生かし俯瞰的に観察していたのです。

実際に、ORBIT社のハイエンドホイールセットの、各パーツはどれも高性能ですが、とくにスポークの部分は見た目にもわかりやすく非常に特徴的です。

すなわち、カーボン製の上、極細で超軽量。一般の方はそのスペックに目が行きがちですが・・・
カーボンスポークの軽量化と高剛性を主眼に作られている他社のレース用カーボンエアロスポークとは異なる性質を持っています。

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実際に見ても、一般に他社のカーボンスポークよりかなり細く、このことで、長時間のハイスピードライディングに於いては、空力特性の恩恵を大きく受けられます。すでに、社内の分析テストに於いて、最近の太いエアロカーボンスポークより、総合的な空気抵抗の値が低いことが証明されています。

さらに、このカーボンスポークは、本来の特性である「引き」に対し強い性質を持ちながら、さらに「押し」に対して、しなりを持つよう設計されているので、加速に対してはリニアにパワーを伝達できる反面、ホイール全体ではショックアブソーバー効果が得られるため、太いエアロスポークのホイールセットより、長時間ライドに関し疲労の軽減につながるようになっています。

何故こんなに細くできるの?との疑問には、「あらかじめハブ、リム、スポークを一塊として設計を開始し、バランスよく、いろいろな仕掛けを入れ込んで製作してるから、、」という答えが自然に出てきます。

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すなわち、ヨーロッパテイストのプロダクトとは異なり、筋力が大きな人が、軽く・硬く、パワーを効率よく伝えるという目的のコンセプトだけでなく、アジア人的な「柔良く剛を制す」という、非力なライダーのレースシーンにアドバンテージを与えてくれる設計なのです。

私たちは、一般に商品を、外見的なデザインやブランド、重量等のスペックの面だけから評価しがちなので、「どのようなコンセプトでこのようなデザインにたどり着いたのかしら・・・」という点を思考する事を見落としがちです。
ORBITのデザインは、その開発視点や開発者の才能のみならず、生産王国の環境が一つの大きなきっかけになっているとも考察できます。

豊かな生産環境のゆりかごの中で、プクプクと泡のように醸成される、斬新な創造・・・
「台湾国 ホントに恐ろしや」そんなことを考えさせられてしまうデザインなのです。

かたや私は「ゼロ戦」が「ワイルドキャット」を駆逐する・・・そんな、日本の二時代も昔のことに思いをはせながら、
日本にも再び、将来こんな自転車の開発環境ができればいいのにな・・などと少しうらやましさを感じてしまいます。

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