今9月下旬より、リンコロバッグ「LINKORO」が再販されました。
「より使い勝手良く」を目指し、Ver2としての販売です。(価格据置)
外皮サイドには「5LINKS」のロゴがプリントされました。
リンコロが発売されて3年余。とっても地味ですが、実はこのリンコロにもその他の改善の足跡があります。
LINKORO Ver1.5
LINKORO Ver1では、「底地の素材が弱い」との評価をいただきました。開発時には十分強度があるとして、一般的なスポーツバッグ用底地を用いたのですが、10kgの自転車を入れ、そのままコロを使わず底地で引きずるような動作をすると、地面との摩擦熱で両立スタンドの部分の底地が溶けてしまう現象が出現しました。特に滑り止め処理をした電車の駅構内・ホームの地面は摩擦率が高かったのです。
また、折り畳み引きずり時に、袋を傾けると、底地のサイド面に擦過破れができるとの報告がありました。
さらに、走行時に縛り付けるヒモが緩く結ばれていると、リンコロ自体が「ホグレル」という報告もありました。
どちらも扱い方の問題と考えられましたが、取り急ぎ、Ver1.5として、底地の強化・サイド面の補強を行い、なた、縛りヒモを十字にしました。(2015)
LINKORO Ver2
さらに、リンコロを押すときはよいのですが、特に無造作に引っ張る時に、袋自体が傾く、もしくは転覆するとの報告があり、検証が始まりました。
当初、リンコロバッグ用のコロは、「競輪選手輪行袋用」に開発された既製プラスチック板付きコロ(幅10インチ)を使用していました。
このコロ自体は、発売当時、板幅、10インチ、12インチ、14インチの物が作られましたが、当社商品の開発時はすでにオープンモールド化しており、汎用品として市場に残ったのは(金型が残ったのは)幅10インチも物だけだったところから、これを使用せざるを得ませんでした。
これを利用し、板材を加工して5LINKSの車輪を載せていたのですが、走行のさらなる安定のためにはコロの車輪幅を広げる必要がありました。
そこで、いつもの通り、縫製工場の方に深く頭を垂れ、車輪幅の広いものを特注で作ってもらうこととしました。
また、バッグのホグレ防止用に設定した、十字ヒモの扱いがしづらい、とのご意見もいただき、縛りヒモの一部を別体化して、付属品としました。
このようにして、皆様のご意見を入れ改善を繰り返した結果、収納時の外形サイズは変わらず、押し転がし性能の向上を図ることができました。
取り扱い、スペックは従来のものと変更はございません。
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2016.09.21 / BLOG NEWS & RELEASE デザインと開発(Design & develop of products)
新色 5LINKS2 165(Kuro/Kin:ブラック・ゴールド)発売
161モデルと同時に、5LINKS2 165(5速)モデルに、新色登場です。その名も「Kuro/Kin」(クロキン)。
配色はブラックベースで差し色がゴールド、少し大人っぽい色合いになりました。
ダウンチューブ・デザインは古の「太刀(たち)」のような雰囲気です。
スペックは変わらず信頼のシマノ・インター5(5段変速)。
価格も従来通り105,000円(税抜)スタンド付属です。
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今回のコンテナーにより輸入されました、5LINKS2 161(シングルモデル)が発売されます。
この車種の特徴は、フレームや主なパーツは従来の165や169と同等ですが、街中での使用に必要十分なシングルギヤーを装着したベーシックモデルです。
8年前の5LINKSの発売当初のコンセプト「公共交通機関に手軽に積載やすい、手軽で便利な乗り物」すなわち、「原点」に立ち返ったモデルです。
カラーリングは遊べます。メインカラーはスッキリとした「Milk(アイボリーホワイト)」単色です。添付の4色ロゴステッカーを、お客様に自由に貼って使用していただきます。「痛車仕様」にすることも可能デス!
もちろん今までのキャリアーやフェンダーの取り付け可能、リンコロバッグ、ショルダーバックにも対応します。(オプション品)
主なスペックは以下の通り
16インチ シングルスピード
前53T 後16T
重量:9.4kg(スタンド除)
色:Milk(アイボリーホワイト)1色
価格78,000円(税抜:税込み価格84,240円)
付属品:スタンド・4色ロゴステッカー
(付属の4色ロゴステッカー:濃紺・赤・金・緑)
(ダウンチューブ)
(トップチューブ)
(ダウンチューブ 裏面)
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by 三浦 康智
2016.10.11 Posted.
9月発売かと思い待ち望んでいますが…
コンセプトに原点回帰の新商品、アップデートに期待しています。
気軽なコミューターとして軽くて安いシングルギアがあれば、と常々思っていたところです。
わが町のアガパンサス
わが町のアガパンサス
「アガパンサス」。初夏の花だそうです。杉並の住宅街で、アジサイとともに最近盛んに植えられている花です。住宅50軒に一軒くらいは植えてるのでは?と思えるほどです。色も「青紫」「青」を中心として「白」や「赤っぽいもの」などがあります。
わが町では流行の花のようです。何故か、たいがいは家の正面に植えられていることが多いのです。
私はこの花の名前も形も知らなかった。私の子供のころには見なかったと思います。でも、どこかで見たなーという思いがありました。
「ヒガンバナ科」の多年草で、球根から育てるそうです。南アフリカ原産。
そんな思いで、写真整理をしていると、前回台湾出張をしたときに、南投の公園で咲いていたのを写した写真が出てきました。5月のことです。
南投市のアガパンサス(5月)
南投市のアガパンサス(5月)
取引先の会社の人が「きれいだろー、きれいだろー」と自慢するので、つられて写真を撮っていたのです。
「台湾では愛情花というんだ」と言っていました。「台湾原産の花か?」と聞くと、「輸入された花だ」との回答でした。
「アガパンサス」はギリシャ語のagape(アガペ 愛)とanthos(アントス 花)の2語の組み合わせが名前の由来で、ヨーロッパでの花言葉が「愛の花」ということだそうです。
たぶんそれを台湾の人は「愛情花」とのネーミングにし、現在の日本では「アガパンサス」の名前のままで、市場に出回っているようです。
別の和名は「ムラサキクンシラン(紫君子蘭)」と言いますが、この名前で呼ばれることは無いようです。クンシランは縁もゆかりもない別属の植物で、外見の特徴から付けられた和名のようです。
物を売る場合「ネーミング」は重要な要素ですが、日本では「和名」(輸入当初の人がつけたのでしょうか?)ではヒットせずに、「ヨーロッパ名」でブレイクしたようです。台湾では「花言葉の意味」が花の名になって、市場形成が進んでいるようで、
それぞれのお国柄を表しているようで面白いですね。
でも、日本の人も、台湾の人も、「きれいな花」であれば、それがどこ原産でもあまり関係ないようですねぇ。。
実際、育てている方で、この花が、どこから来た花か知っている人いるのでしょうか??
南アフリカの方、ゴメンナサイ。。
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今回は「ステム」です。
5LINKS2では販売当初、ハンドルステムを既製品で、突き出し量60mmのものを使用していました。
私が荒川のサイクリングロードを気持ちよく走行するのにちょうどよいポジション・長さ、ということで開発が進んでいたのです。
突き出し量60㎜ステム
しかし発売後に、お客様より「5LINKS1の時より、ハンドルまでの距離が長い」という意見を得ました。
その点に対しては、「既製品の短いステムを交換が可能」との返答をしていましたが、実際に日本の市場を見渡してみると、ハンドルバー直径25.4mmで、ステム径28.6mmの短い突き出し量のステムがあまり出回っていませんでした。
また、試乗会を行うと初心者の人が、漕ぎ出し時に「ハンドルにふらつきがある」とのご意見をいただきました。
実際その後に購入していただいた方に、リサーチをすると、「慣れてしまうと、ふらつき感は気にならない」との返答を得たりもしました。
その乗車フィーリングに個人差が大きいので、対策に苦慮しました。
当初はその乗り心地が、ヘッドアングルやオフセット量から来るものかを検証し続けていましたが、いろいろな試行錯誤の結果、
「ステムの突き出し量により、漕ぎ出しのドライブ・フィーリングが変わる」という結論が出ました。
すなわち、慣れない自転車で、腕に力を入れて(重心をのせて)漕ぎ出そうとする人ほど、ふらつき感は大きく、
また、多種類の自転車に乗りなれ、いわゆる「お尻で乗る」ことに慣れている人はふらつきが少ない。
ステムの突き出し量は少ないほど、ふらつき感が少なく、さらに、小柄の人だと、突き出し量が0やマイナス方向の方がふらつき感は少なくなることもわかりました。
そこで、突き出し量の少ない、ショートタイプのステムを入手しようと探し始めたところ、ハンドルバー直径が25.4mmのもので、台湾の既製品では適当なものが少なく、
もともとショートステムはオフロードバイク系の自転車で使用されることが多いためハンドルバー直径が31.8mm等太いものが多く、重量もがっちりとして重いものが多かったのです。
工場の方より、「仕方がないので、スペシャルのものを作ってしまいましょう」という提案を受け、
「それでは少量ですが、お願いいたします」と床に頭をこすりつけてお願いし、実際に作っていただきました。
何回かの試作後、スペックは、アルミ鍛造削り出しで、ステム径28.6mm突き出し量28mm、ハンドルバー直径25,4mm、重量120gとなりました。
小柄で握りまでの距離を短くしたい方にも有用ですし、5LINKSの「低速での癖」と言われたものも、一気に改善ができました。
現在の車両にはすべてこれが採用されています。
補修部品としての小売りも致します:6,000円(税抜)
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梅雨ですね。
6月5日につづき、アジサイの話です。
近所のアジサイの花弁が散りはじめました。と思ったら、種類が違うらしいのです。
「ガクアジサイ(額紫陽花)」というのだそうです。
紫陽花は日本固有の品種だそうで、原種はこの「ガクアジサイ」や「ヤマアジサイ」(山地に自生するもう少し小型のもの)で
それを江戸時代の西洋人がヨーロッパに持ち帰って、いろいろな色や、てまり状に花が咲くように改良したんだそうです。
またまたそれを、近代の日本人も真似て、改良を繰り返し、多品種が出回っているのだそうです。
知らなかったー。
*ちなみに私が「花弁」と書いてあるものは、実は「装飾花」というもので、本当の花は中心部の小さなゴマのような部分です。
それにしても、私は子供の時から、カレンダーなどの挿絵の、花弁でいっぱいのアジサイを見慣れていたので、それがオリジナルだと思っていました。
さらによく調べると、上の「ガクアジサイ」も改良・または原種ではないようで、原種は先日写真をアップしたもの(花弁が4枚のもの)らしいのです。
日本固有種に近い「ガクアジサイ」
一番上の写真は、静岡県で発見された、「伊豆の華」とか「城ケ崎」というものに近いのです。花弁が八重になっています。
いろいろな種類があるのだなーとびっくりです。
まだ、花弁いっぱいの紫陽花はピークの状態ですが、ガクアジサイは散りはじめています。花の期間も短いし、可憐な感じのアジサイですが、それを華やかな種類に改良したのが欧米人で、それが地球を一回りして、また、近代の日本人がそれを珍重し、改良を重ね、多品種のものが、私たちの市場に出回っているというのも、不思議で、面白いことだと思いまね。
お花の「グローバル化」ですね。
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「防水キャップ」
5LINKSのリアブレーキとリアディレーラーのワイヤーはトップチューブ前半から入って、後から出てきます。
8年前に5LINKS1の開発が始まったときには、2本のケーブルが同じ場所から入る、アルミ製で既製品の防水キャップがありませんでした。
そこで、簡単に選択できる方法として、トップチューブに楕円形の穴をあけ、それに適合する「ゴム製」の防水キャップを選択しました。
5LINKS1 ゴム製の防水キャップ
しかし、実際に組み上げてみると、キャップが外れやすいことが分かり、それではということで、トップチューブの入り口を、楕円のままにし、ケーブルが傷つかないように穴のヘリを「面取り」して使用することにしました。
5LINKS1 防水キャップなしの量産型
4年前の5LINKS2の開発では、ケーブルの穴から、チューブの内部に雨水が入る可能性を考え、また、ケーブルアウターが傷つく可能性考え、防水キャップを選択することにしました。
細かい話ですが、アルミ製の防水キャップはフレームに溶接して留めるので、穴のあけっぱなしより、フレームの強度の低下も防げるのです。
その当時、やはりアルミ溶接タイプの5LINKS2にちょうどいい「2本のケーブルが入る防水キャップ」がなく、泣く泣く「1本が入るキャップを2か所設けることにしました。
その際、トップチューブの片側に至近距離の2個の穴を開けると、パイプのスペース不足とフレーム強度不足の可能性が出たので、左右1個ずつ開けることにしました。
5LINKS2 初期型防水キャップ 1穴左右振り分け型
ケーブルワイヤーがフレームの左右から入り込むデザインでした。
しかし、販売してみると5LINKS2のヘビーユーザー(短期間に何千キロも走ったそうです)から、「左から入るケーブルのアウターが、頻回のハンドル旋回で、傷つく」という症例が出、改善をすることにしました。
そこで、いっそのこと5LINKS専用のスペシャルのアルミ製防水キャップを作ってしまおうということで、
軽量化と強度、5LINKSのケーブル挿入角度にちょうどいい穴角度のキャップをCNCで作りました。
5LINKS専用 防水キャップ
台湾で製造するメリットというのは、工場とのモチベーションがうまく取れれば、専用のパーツが比較的容易に開発できるところでもあります。それでも、少量生産の5LINKSでは、関係者に大変お世話になりますが・・・
日本でCAD図面を使って、CNCで作ることもできますが、大量に作る場合は別にしても、少量であればかなりのコストがかかります。
以前に記載したように、台湾で開発するということは、他の量産車にも使用できる可能性のあるパーツであれば、「アルミの加工工場さん」は喜んで?作ってくれるわけです。その代わりオープンモールド(公開され他社が使ってもいいパーツ)となりますが。
2010-11年度の台湾のパーツガイドには載っていなかったものが、
2015-6年度のパーツガイドでは、複数の企業で多種多様の「多穴のアルミ製防水キャップ」がカタログに載っている状況です。
もちろん全ては我々の開発したもののコピーというわけではありませんが、ほぼ同じころに、同じような要望を持つ顧客が存在したことが考えられます。
また、誰かがそれを作ってみて塩梅の良いものだと、いっきに多くの需要が生まれてしまう。そこで、製造基盤のある国が独占的に多品種のものを作り、あっというまに市場を席巻してしまう。
他の国は「この程度の技術のことはいつでも作ることができるよ」とタカをくくっている間に、市場そのものを構築できなくなる。
「インフラを取られる」ということのいい例だと思います。
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梅雨の合間の週末の夕方に、わが町 M町3丁目で美しい夕やけが見れました。
これがほんとの『ALWAYS 三丁目の夕日』かな、などと思って写真を撮りました。
何十年後かの記憶に、おぼろげにでも残るのでしょうか・・
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さて、「5LINKSは日々改善しています」情報をアップすることとなりました。
まずは、判りやすいところで、両輪留(WHEEL ROCK SYSTEM)のバネの改善です。
5LINKSの両輪留は、前後輪が同軸上で留まります。
そのために「磁石(マグネット)」や既製の簡単な「カップリング」を使用してはいません。
なぜならば、車体を折りたたんで、無造作に引き回し、さらに荷台に10kgの荷物を載せて、歩道の段差なども乗り越えられるようにしなくてはならなかったからです。途中で「ぱかっ」と外れてはいけないからなのです。
3年前、現在のモデルである5LINKS2発売する時、5LINKSの両輪止め機構は、わたくし称す「ひっかけタイプ」から、「板バネつまみタイプ」に変更しました。
それまで4年間続けた、5LINKS1の初代両輪止め機構は、一長一短があったと思います。
初代5LINKSの両輪留システム
5LINKS1のものは、簡単なオス・メスのナットを、前フォークの「しなり」で「ひっかけて」留めるものです。
慣れると、ユーザーが立位の姿勢まま着脱ができる一方、位置の調整をうまくやらないと、前後方向には離脱することがある。
調整にもコツがいる。等の点がお客様評価でも気になりました。
この装置も、初期のものと後期のものがあり、ステンレスの塊なので、それなりに軽量化を図ったりしたものですが・・・
初期タイプ
後期タイプ
やはり、初心者の方(慣れない方)に対しての取り扱いが難しいのではないか?
ということで、5LINKS2では、機構自体を変えてみました。
すなわち、ガスホースの留め具から想起した、「ツマミ」をつまむことにより着脱を図る、「板バネつまみタイプ」にデザインを変更したわけです。
視覚的になじみやすいものであれば、操作のイメージが初心者でもしやすいのでは?
という思いでした。
初期型を発売し始めると、お客様により、「板バネを使用中に変形がある」「黄色いツマミが外れてしまった」とのクレームをいただきました。走行に問題がある部品ではありませんが、折り畳み時の不具合として、症状が出たのです。
5LINKSの板バネは丸形をしており、板を丸めて形成してから、焼き入れ加工をし、弾性を作るのですが、その工程の関係で、あまり板厚を厚くすると、板が破断しやすいこともあり、初期には板厚を0.8mmとしていました。
この厚みの場合、頻回使用により変形が起きることがあり、また、熱処理のばらつきにより、破断しやすいケースもありました。そこで金型を作り直し、焼き入れ法に工夫を重ね、現在は板厚を1.0mmにし、また、ツマミの量(2つの黄色いキャップがついている角度)を狭角にしました。
また、ツマミはずれの問題に対し、板バネに外れ防止のスリットを入れました。
これにより現在ほぼ、問題は改善されたと考えております。
外見上はほとんど見分けはつきませんが:左:当初のもの 右:現在のもの
現在販売されているものは、全て厚板タイプが装着されています。
このパーツは、補修品として販売もされています
希望小売価格
バネ本体ツマミ付き1000円(税抜)
両輪留ネジピンセット500円(税抜)
ツマミのみの購入も可能です
(H28/6現在)
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6月に入りました。
東京はもうすぐ梅雨に入ります。わが街の家々の庭先には、紫陽花が咲いています。
最近の「紫陽花」は、輸入の種類も多いようで、小ぶりのものから、大きなものまで、形やサイズにも、以前にはあまり目にしていなかったものも目につきます。
家の周りの住宅地に咲いている「紫陽花」は、青いものが7割くらい、白に近いのが2割くらい、紫1割で赤色のものがほとんど見当たりませんでした。
確か中学校の理科授業で、「紫陽花の色は土壌の酸性アルカリ性で決まる」ようなこと習ったような気がして、「杉並の土地はアルカリ性なのかしら?」などと思い
インターネットで調べてみると・・・
酸性の土壌で育った紫陽花は「青」アルカリ性の土壌で育った紫陽花は「赤」の花をつけるのですって・・・そして中性は「青紫」・・
リトマス紙とは反対だったのですね・・・以外でした・・
近年の都市部の「酸性雨」などと関わりがあるのかしら?
また、咲いている最中にも紅葉のように色の変化もあるようです。虫のおびき寄せなど、生物学的に何かの意味があるのでしょうか?面白いですね。
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今回10回目を迎え、車体の「デザインコンセプト」のお話を最終にしたいと思います。
「5LINKSは日本独自のブランドにしたかった」というお話です。
5LINKSはほぼ15年ほど前に、着想と企画が始まりました。以前に書いたとおりの流れです。
当初「5LINKS プロジェクト」は「傘(KASA BIKE) プロジェクト」という名称で始まりました。
以下、当時の開発企画書にあるネーミングの想いです。
ネーミングを「傘」とした理由は、
・日本発のデザインなので日本語(漢字)の名称にしたかった
・身近な用品として、「目的にあわせ携帯する」というイメージと重なるため
・「傘」のたたみ方になんとなく似るかもという想いから
・日本語として有名で簡単な単語だから
・「傘」と言う字のデザインが面白いから
・往年、「戦車」開発の秘話としてイギリスがドイツへの秘密を保持するため、タンク(給水車)とのコードネームで開発した事にもじって
・欧米等にもCASA(城)の同音語が存在するので
これらの願いをこめて命名しました。
当時の私は、このプロジェクトをもって「日本人が企画し」「日本人社会で使いやすく」「日本人の手で作られる」自転車としたかったのです。
私は、自転車の企画書と簡単な図と1/5模型をもって、当時自分で行くことのできる、国内の「自転車のフレームビルダー」、「自動車レース車体を製造する修理工場」、「アルミ製車いすメーカー」などをめぐりました。そして最終的には数年後、埼玉県坂戸にある「絹(シルク)自転車」製造会社にたどり着くのですが・・・
「日本発で日本人が日本人のために作った自転車」という「夢」ははかなかった。
当時の私は甘かったのです。
その時すでに日本は量産自転車の生産国ではなかったのです。
すなわち、一般車のフレームの溶接(特にアルミなど)をする量産工場が、ほぼ皆無でしたし、5LINKSで使用する部品に関しても、日本で製造されているものが少なかったのです。
もちろん私個人の小ロットの企画などを具現化していただけるOEMメーカーなども存在せず、日本は「自転車の市場(マーケット)」消費国であったわけです。
印象的な思い出は、とある日本のフレームビルダーにこの案件を持ち込むと、「あなた幾らお金を持っているのですか?うちはアルミはやってないから、外注になるし、1台試作車を作るだけでも価格が幾らになるかわからない」と返答されたこと。
日本のリムブランドの会社に電話をかけ、「試作車の14インチのリムを調達したいのだけれども」と質問すると、「いま日本では作ってないから、100本単位なら海外オーダーをかけられる」との返答を受けた時などです。
いろいろな経緯があり、現在の私の師匠である「絹自転車」のA氏に出会うと、
「「中国」か「台湾」でしかアルミ製折り畳み自転車の量産製造はできない」
とのアドバイスをいただき、彼の工場で鉄製の構造試作車を作ってもらった後に、「台湾・中国行脚」OEM工場探しを始めたのでした。着想から4年後、2006年頃の話です。
その時点で、「傘」プロジェクトの「日本で生産される量産自転車」の夢は、もろくも崩れ去ったのでした。
もちろん、当時、自分に自前の自転車工場を作ってしまうというくらいの投資力があれば、もしくは私がすでに実績のあるデザイナーで、運よく大手自転車企業等の協力が得られれば、別の結末があったかもしれません・・・
フレームの部材は(特にアルミ)はアジアではほとんど台湾や中国でしか、自転車用のパイプが調達できない。
企画が日本のメーカーであっても、量産品の殆どは国外の工場で生産されている。
パーツなどではブランド名が日本の名称でも、すでに、台湾資本などに買収され、「日本時代のブランド名」だけが残っている。よって企画も外国人主体によってなされている。
こんな現実を体感したのです。
自転車は、多くのパーツでくみ上げられている機械です。パーツの多くは海外製ですから「日本独自生産」ということは不可能なわけです。
しかし便法として
・パーツを海外から調達したけれども、完成車の組み上げを日本で行った場合(CKDで輸入生産)
は、[made in japan](日本国製造)という呼称をすることはできます。
自動車の「日産」や「トヨタ」でも部品の海外調達率上がっているはずですので、自転車の世界にかかわらず同様なグローバル化が起こっている訳です。
しかし自転車の場合は極端で、完成車の組み上げまでの一貫の工程が、ほとんど海外に移転されてしまったわけです。
製造コストの安い国に、製造インフラを取られる。
ピラミッドの底辺を経済法則の観点からのみ判断して一度安易に海外移転してしまうと、完成品までの工程も技術も全て海外に持っていかれてしまう。
過去には「世界一の自転車生産・輸出国」であった日本はその地位を失いました。
日本の自転車産業は、1980年のオイルショックを発端に、国の円高政策と、単なる自由経済法則の流れを安易に許すことよって、「世界一の自転車輸出国」のタイトルを「台湾」に「中国」に譲らざるを得なかったわけです。
これは日本に限ったことではなく、欧米のメーカー(ブランド)も同様な歴史をたどります。
面白いことに、この自転車業界で1980年に起こった流れを、「反省材料」として「国家単位の政策」に位置付け「真の国内産業の生き残りと育成」を研究し反映しなかった日本では、最近になって、「円高による、各産業の技術・工場の海外流出加速」や「大手家電製品メーカーの赤字や倒産」など、売上高では自転車業界とは桁違いの産業でも、同じような現象が起きており、巷で大きなニュースとなっています。
「国内産業の生き残・育成」と「経済的自由競争」のバランスを、資本主義経済の名のもとに国家単位で無策とした付けが回ってきており、国民の生産性やモチベーションの低下につながる原因となっているようです。
「モノづくり日本」と宣言するには、だれがどの程度の責任を持つべきか・・・
気持ちを入れ直し「台湾」の工場を訪れた私はびっくりしました。
日本で「傘」を作ろうとしたときに、フレームに使用するアルミ管を選択しようとしたら、単純な「円管」と「角型管」しか調達できないであろうということでシンプルな車両デザインを描いていったのですが、実際フレーム製造工場に行くと、
工場の棚(幅10m高さ3mくらいでしょうか)に、無造作に何百種類という形のチューブ(トップチューブ、ダウンチューブ等)が刺さっていて、まるでミツバチの巣のような光景を見せられたのです。
そして係の人から、「好きなパイプを選んで」と言われたのです。
変わった形状の押し出し管やハイドロフォーミング技術などを使った管が選び放題で、曲げ加工や厚み、テーパーなどもお好みで変更が効くというのです。
また、スポーク張りの工場に連れて行ってもらうと、人海戦術で職人がスポーク張りをしていると想像していたら、「自動スポーク張り機」が広い室内に並んでおり、少ない作業人数で「ガチャン、プシュー」という単調なリズムで、続々と高級ホイール作りの作業が行われていたのです。
「生産国の強み」を実感しました。「日本」と彼の国の差を強く感じました。
そんな経緯で、5LINKS1は直ちに、「反り」のあるメインチューブのデザインに変更されました。
私が日本人らしいと感じるデザインを、台湾の方が容易に実現してくれたのです!!
その時から、私の頭の中で考え方が少しづつ変わってきました。
「日本発のデザイン・製造」とこだわっていたことは何なのだろう??
また、そのことに何の効用があるのだろうか?
この思いは、台湾の方と接する都度、また、工場で5LINKSの企画が進むほど強くなっていきました。
そして、量産試作が完成し、発売の日程が明確になっていくに従って、少しずつ思いが固まってきました。
物を作る場合
「日本人」として「その土地に住んでいれば、そこの事情に合ったモノづくりをすることは、外国人よりも有利であろう」
それが「日本発」の本来的な意味であり、そこに「日本人らしいモノづくり」を反映させれば良いのではないか?
例えば、製品を海外で作ったとしても、国内で作ったとしても、操作性や、品質を消費国のニーズに合わせていかなくてはならない。最初は失敗もあるかもしれないけれども、地道に改良をして、品質を上げていく手法は、「日本人独特」の気質に基づいてはいないか?
ひいてはそれを作る海外の人にも、「日本人の物つくりの特性」を共有できるのではないか?
どこの国で仕事をしても、自分が「自分の思う日本人」らしさを主張し、話し合い続ければ、良い結果が生まれてくるのではないか?
そんなことを考えるようになりました。
そこで、販売に際し「傘 バイク」のネーミングを変更することとしました。
もちろん、日本人の協力者からも「傘?パッとしない名前だよね・・」「売りにくいのじゃないの?」などと言われたりもしたのですが・・・
また、台湾・中国人は「傘」を音読みで「サン」と読みます。その読みが「散る」(サン)と重なるので、人にプレゼントするときに不吉な「傘」は絶対に贈らない、という話にも影響されたような気がします・・・
「電車」「バス」「飛行機」「船」「徒歩」の移動手段との併用を前提に
「アジア」「アメリカ」「ヨーロッパ」「オセアニア」「アフリカ」5つの大陸を自由に移動できる移動体
をモットーに「5LINKS」(ファイブリンクス)という名前に変更されましたが、
もう一つ、
「日本人」に限らない5大陸の人「たくさんの民族」と共同で作り上げる、もしくは「いろいろな国の人と」交わることのできる
という意味も込められていたのです。
こんな思いが、現在の5LINKSのコンセプトになっています。
5LINKSのフレームの下面、BB(ボトムブラケット)シェルには、「MADE IN TAIWAN」の文字が、差し色と同じ配色で明瞭に印刷されています。
その下の車体番号のほうが刻印で目立たないほどです。
日本発のデザインだって、台湾の人々が一生懸命 具現化してくれたのですから、はっきりと表示をしたかったのです。
しかし、いつの日かチャンスがあれば、「日本国内で作品を製造してみたい」という思いも、ふつふつと心の底に流れてはいるのですが・・・・
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ようやく平和な週末がやって来ました、と思ったら、飼い犬(老犬)の調子が悪く、看病で自宅を一歩も出られません。
東京のお外は多少の雲はありますが、朝から爽やかで風の気持ちいい一日です。
アパートからの眺めは、とりわけどうといったことのない平凡な都会の風景ですが、緑と空、そよぐ風を感じるだけでも癒されます。
先日、日本自転車普及協会様からのお誘いで、新宿の展示試乗会・サイクルドリームフェスタに参加させていただきました。下部団体である、自転車文化センターは目黒にあり、自転車に係る多くの資料文献がございます。一般の利用が可能で、自転車好きの方々の他にも、このような施設がある日本は幸せな国と考えます。
http://www.bpaj.or.jp/ 日本自転車普及協会
http://www.cycle-info.bpaj.or.jp/ 自転車文化センター
自転車のフレームデザインに係る歴史的な変遷を調べたく、簡便にウェブサイトを調べてみました。
引用をしようと思いきや、同様の団体で、日本自転車文化協会という所にも多くの写真資料があり、こちらも併せて引用させていただきました。
前の回にも少し触れましたが、自転車の原型は1700年代の後半にヨーロッパで発生し、貴族の玩具として馬・動物を模した形に車輪を付けたものでした。その黎明期にはドライジーネと言われるキックバイクタイプの自転車、ミショータイプと言われる、前輪にペダルのある自転車(現在の三輪車様駆動部)、前輪が大きくなったオーディナリーの自転車等、道具としての進歩・考案に合わせ、色々なフレームタイプの自転車が生まれては消えました。
1791年フランス製 キックバイク様自転車
1817年ドイツ製 ドライジーネ 方向舵付キックバイク様自転車
1867年フランス製 ミショータイプ 前ペダル自転車
1870年イギリス製 オーディナリータイプ 増速装置付き前ペダル自転車
1879年イギリス製 セーフティー型 前ギアと後ギアをチェーンで結ぶ駆動方式
現代的セーフティータイプ自転車
このような足跡をたどり現代の自転車のデザインの元祖ができたのは、約100年後の1890年前後となります。また、1888年、アイルランドのダンロップが空気入りタイヤを発明すると、その乗り心地とスピード感の良さ及び、道路の整備(インフラ整備)発展から、自転車の普及が爆発的に増えて行ったそうです。
歴史を振り返ると、自転車のフレームデザインとは、木製手作りからパイプ(鋼管)という、量産に適した部材を得、人間の乗車姿勢と、主に駆動部の進歩により、そのフレーム形状が決まって行った。ということが判ります。
面白いのは、上記写真の1879年セーフティータイプ自転車では現代とほぼ同じ駆動部分が採用されていますが、まだ、シートパイプが欠落しています。
ペダル部分に大きな力がかかり、それを補強をする意味で、その後しばらくして現代にも通じる、前三角(トップチューブ、ダウンチューブ、シートパイプ)と、後ろ三角(チェーンステーとシートステー)を加えたダイヤモンド型フレームが、一番合理的形状となっていった経緯が判ります。
当時は、CADなどの製図機械や、フレームの剛性・強度を予想検証する装置も無かったでしょうから、設計者の直感で、現物を作っては、実際に乗ってみて、試行錯誤の繰り返しにより、時間をかけて
「壊れず頑丈」「軽量」で「作りやすい」デザインに煮詰められていった、と考えられます。
今回この題材を挙げたのは、私がこの歴史を再読してみて、
「現在の自転車のフレームデザインは、その後すでに100年以上たった現代まで基本的な変化がなかったんだー」
という感嘆からです。
ご存知のように、ツールドフランスやオリンピックをはじめとする、最新の自転車を使用する競技の世界でも、フレームの材料に関しては、鉄からアルミニューム、カーボンファイバーなどの変遷が見られますが、構造上のデザインには基本的に変化が無いのです。
ここ100年間以上、「歴史に残るデザイン」をしていた自転車のデザイナーたちの仕事は、基本的ダイヤモンド型フレームというアウトラインの上で、素材であるとか、パイプの角度、接合位置、接合方法など、小さい部分の「改善」「蓄積」をしてきた歴史だったのでした。
現代に入り、フレーム素材が「鉄管」「鉄合金管」から、「アルミニューム管」、アルミニュームでも管の造形を比較的自由に作れる「ハイドロフォーミング管」、さらには、「カーボンファイバー」による量産工法が出現しました。
また、自転車の使用用途も、単に「道」を走る物から、野山を走れる「マウンテンバイク」が出現し、オートバイに倣ったサスペンションシステムを使ったものが量産されるようになったり、仰向けの乗車姿勢で走る「リカンベント」タイプの自転車などが市場参入しました。
それに従って車両のフレームデザインは、市場の中で多様化の様相が出てきました。
フレームの素材、パイプや部品のスペックに多様性が出てくると、「折り畳みの自転車」のデザインにも影響し、面白い姿の自転車が市場に投入されるようになります。
ある意味では、デザイナーが思うままの「面白い」デザインを作ることが容易な時代になってきたのです。
そのような中で、どのような自転車のデザインをするのか?
これは、デザインをする人のその自転車に対する「コンセプト(概念)」が大きく反映してくると考えます。
・ユーザーの見た目に面白い物を作りたいのか?
・折り畳みが「ギミック」というものを目標にするのか?
・サイズにこだわるのか?
・重さにこだわるのか?
・速さにこだわるのか?
・使い方にこだわるのか?
5LINKSでは、従前の「デザインコンセプト」のストーリーに従って、
「求める機能に対し形を付与する」という歩みを続けてきたので、現在そのフレームの形はオーソドックスな、ダイヤモンド型フレームを採用してしまいました。
市場にありふれる「平凡なデザイン」の価値は如何なものでしょうか?
「デザイン」をするとはどういう事か?「デザイナー」は何を作るべきか?
日々、自らに課せられる「問い」です。
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春になるとお尻がムズムズしはじめて、どこか「お外」に出かけずにはいられない。その原因が、気温や湿度、陽の光、風などの外的要因なのか?それとも、体の中のバイオリズムや新陳代謝の程度のような生理的要因なのか?はたまた、幼少のころからの「刷り込み」や「楽しい体験」などの脳内記憶の蓄積なのか?
そんな理屈っぽいことは横に置いておいて、野山で遊ぶのは気持ちいいですね。
成人になると、「お酒の摂取効果」も加わり、休日の外出は楽しいものとなります。
最近は5LINKSも大活躍です。
さて、前回までは全体的なお話でしたが、5LINKSでは、その機能的な部品に「新しいアイデア」が入り込んできます。今回は「2WAY シンプル化の発想」の話です。
折り畳むと「ゴルフバッグ」のような形状になり、「キャリーバッグ」「トロリーバッグ」のようにごろごろと転がして行く。というのが5LINKSの機能ですが、それを支えるために、色々な工夫がしてあります。
車体重量を軽くしたいことは、前回でも書きましたが、自転車は沢山の部品の集合体なので「軽い部材・部品」を使うという方法が一つあります。しかしこれには制約があります。すなわち、サドルにしてもクランクにしても、一般に軽いものは「コストが高い」のです。
カーボンやチタンのフレームを使ったり、上級の変速装置を採用すると、製造価格がどんどん上がって行きます。
そこで、デザイナー的には、デザインの工夫でそれを補えないかを考えます。
5LINKSでは1つの部品を2通りの使い方で使うことによって、デザインで軽量化と合理化を図っている所が複数あります。「2WAY化」のデザインと言っています。
@ コロ
5LINKSでは、「デザインコンセプト」6で掲載した「タイヤ」などが一つの例です。
すなわち、折畳み自転車を畳んで転がす場合、付加物として「コロ」などの車輪を付けることが多く行われますが、これでは、この目的に「一つの道具」が使われてしまいます。「重量」が加算されるわけです。
5LINKSでは、自転車の車輪の両輪を折畳時の「コロ」として利用しました。
「タイヤ径」のところでも書きましたが、「コロ」は小さいより大きいものの方が「ころがし性能」も高いのです。
@ 取っ手(Folding Handle Bar)
折畳んで押したり引いたりするためには「取っ手」がいります。
5LINKSでは、自転車として使う「ハンドルバー」を「取っ手」として使います。
一方、折畳んだときの幅径を小さくするために、独自の折り畳み式のハンドルを採用していますが、左右両方ではなく、あえて幅径短小に効果のある左側だけを畳むようにしています。軽量化の為の工夫です。
@折畳み時の取っ手(グリップバー:Grip Bar)
折畳んで転がしていても、階段や部屋に持ち込むときには、車体を持たなくてはいけません。
その時に5LINKS1では少し苦労しました。5LINKS2は「グリップバー」と称した、「にぎり」のパイプを、フレームの中程に設定しました。
重心点が低くなるので、10kg程度の車体も、男の人であれば片手で保持ができます。
このバーは元々フレームの為の構造補強材でした。フレームは、BB(ボトムブラケット)のところに大きな力がかかりますので、通常のダイヤモンドフレームでは、「ダウンチューブ」「チェーンステー」の他に、「シートパイプ」の3本のパイプが接続しています。フレームの強度を保つためです。5LINKS2では、その役割の一端を「グリップバー」が担っています。
@両立スタンド(Dolphin stand)
普通の自転車として走っているときも、折畳んだときも、スタンドで自立したい。
そんな理由で、アルミ製の両立スタンドを、専用に作製しました。
普通の両立スタンドより、旋回の角度が大きいのです。
「一本足のバースタンドでいいじゃん」「ママチャリのスタンドみたいでカッコ悪い」などという評価もありますが、揺れる電車の中などでしっかりと自立する「機能」を優先しました。
@2WAYキャリヤー(2way rear carrier)
5LINKSのコンセプトでは、「自転車には10kg程度の荷物を積んで、電車を利用しながら使用する」というようなイメージがありました。
ですから、5LINKS1にも「専用荷台」はあらかじめ設計の予定がなされていました。
その上で、「その荷物を、駅の改札前などでいちいち下すことなく積んだまま、輪行のポジションに入りたい」と考えました。
その結果、「折り畳み状態で、荷物を積んだキャリーカートのようになればいいな」というイメージが膨らみました。
そこで
・走行中に10kgの旅行鞄を無理なく積載する
・折りたたむと自立する脚となり、また自転車がキャリーカートになる
の2WAYに使える荷台を開発しました。
しかし、実際に作ってみると、大きなな荷物が積めないことが判りました。なぜならば、小径の自転車は、タイヤ径が小さく、その直上に荷台があるので、ペダルを回転して自転車を走行していると、足の「かかと」が、幅広の荷物と干渉してしまうのです。
実際に、多くの小径車には荷台の設定やオプションがありますが、多くは「大きな荷物は積めない、A4のファイル程度の幅しか使用できない」現実があるのです。
そこで、5LINKS1ではもう一工夫して、幅の広い荷物を積載するときには、荷台面に傾斜するパーツ(「はしご消防車」のように傾き、荷物を積載する板)を付加しました。
泣く泣くの対処でした。しかし、これで幅広の荷物が容易に積載可能になりました。
5LINKS2ではさらにシンプルに、荷台面本体が傾斜するようにデザインを改めました。
これで、常識的な「機能」と「軽量化」の両立ができました。
その他にも、5LINKSを観察していただくと、いくつかの「2WAY」合理化のデザインが見つかると思います。機会があれば紹介しますが、もしよろしければ、探してみてください。
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2016.05.11 / BLOG デザインと開発(Design & develop of products)
「デザインコンセプト」7 折り畳み蝶番
ようやくゴールデンウィークの期間が終わりました。
展示試乗会などの合間をぬって家族サービスです。
この時期は、毎年南房総で「田植え」です。
最近では、地方の農業用道路もほとんどが舗装され、自家用車に積載した5LINKSも、畦道には入りませんでしたが、小回りよく活躍しました。
前回で、折畳時の車体の形状が決まりました。
ではどうやってその形状にするか??
畳むとゴルフバッグのような形にするためには
展開時の車両の、どこかの場所に「蝶番」を使用して畳む、と言う事になります。
私の印象としては、第一に、
・「軽量にしたい」
・「フレームを折りたくない」
・「なるべく折る部分を少なくしたい」という願望がありました。
なぜならば、今までの多くの折り畳み自転車に反省を感じていたのです。
小径折畳車は「車輪が小さく可愛らしい」というイメージを持ちます。
しかし、小さくてかわいらしいので「軽いだろう」と思いきや、
同じタイヤ径の展開されたままの自転車よりも「重い」のが常です。
当たり前の話なのですが、折畳むために「蝶番」を備えると、
・その部品の分重い
・折り畳み部分の剛性(強度)を確保するために、周囲の部材が厚く重くなる
と言う制約がかかります。また、折り畳み部分を作ると、工作の精度も要求されます。
すなわち、小径の折り畳み自転車はその見た目に従い「可愛くて、軽い」のではなく
折畳を複数・複雑にすればするほど、「重く」「剛性が低下し」「乗り心地が低下」する傾向があります。
また、「デザインコンセプト5」でもあるように、タイヤが小さい事も災いして、
乗り心地の為の設計の自由度が少ないという素地もあります。
乗用車の開発でも同じようなことが言え、クローズドボディーの車より、屋根の畳めるコンパーチブルの車の方が、一見、「軽やかで」「爽快な」イメージがありますが、その構造ために、重量が重く、また剛性も低下する傾向にあります。
「爽快感」を演出するために、オープンカーを設計し、製品化している技術者は、大変な苦労をしているのだなあと感じます。
折畳み自転車のデザインポリシーは、「艦載戦闘機」のデザインコンセプトにも重なるところもあると考えます。
先の大戦で、航空機どうしの戦闘は、戦場の勝敗を決定する大きな役割を果たしました。太平洋上で激突した日米では、「航空母艦」と言う「船」に「戦う折畳み飛行機」を積載して、戦場まで運びました。その際、両国の艦載機のデザインコンセプトには大きな差がありました。
アメリカは、母艦に積む戦闘機の積載率を上げるため、大胆な主翼の折り畳み方を採用しました。「戦場に大量の兵器を効率よく輸送する」目的です。
設計の主眼を何とするか、という点でとても合理的な発想です。
主翼の根元に「蝶番」を設定し、翼を鳥の羽のように3次元的に折りたたみました。
畳むと「セミ」のような形になるので、格納庫に沢山の数を積み込むことができました。
F6Fヘルキャット(米)
一方、飛行中に大きな力がかかる翼の根元に蝶番を設定したので、胴体と翼の主桁を頑丈にし、さらに防弾装備を装着した結果、機体の重量は増加しました。それに対し、大径の馬力の大きなエンジンを採用し、得られたパワーと大きな増装タンクで性能(速力、航続距離)及び、防御力を補いました。
外見は大振りで力強いデザインです。
「多少の重さには目をつぶり、パワーでねじ伏せる」アメリカ人らしいデザインです。
主力のF6Fでは出力は2000馬力で、重量は4200Kgでした。
一方、当時の工業力から、出力の大きなエンジンを持たない日本は、限られた条件の中で、性能(速力、旋回性、航続距離)を優先した結果、極力軽量で、主翼に肉抜きをした細い桁を多く設定し、また翼中に大きな燃料タンクを設けたデザインを採用しました。その結果、主翼の折り畳み部分は翼端のわずかな部分となりました。
ですから折畳時の母艦への積載性や、飛行機の防御力などは犠牲となったデザインでした。
ゼロ戦21型で 出力は940馬力、重量は1750kgでした。
少数精鋭で技量優秀なパイロットの望む軽快な操縦性(格闘性能)や作戦上の航続距離を重視したのでした。
零式艦上戦闘機21型(日)
折畳み自転車は(電動アシストは除き)基本的に「人力」で動くので、出力が一定と考えると、車重は軽い方が軽快な乗り心地になりますが、
特に日本人が「最軽量や軽快な乗り心地」を好むユーザーの多いのは、古くから伝わる、日本人独特の嗜好かもしれません。
他方「最小になる」や「最速」という「スペック」の訴求にも強い関心を示すようにも思います・・・
5LINKSでは、「基本的に転がして運ぶ」と言う所から「最軽量」を、また、「ママチャリを目指す」と言う所から「最速」を、さらに、縦にゴルフバッグ形状になると言う所から「最小になる」という条件は外していますのが、
・シンプルで軽く、軽快な乗り心地の自転車
にはしたかったのです。
色々と思考した結果、通常の自転車のホイールベース(前後車軸間距離)がほぼ1m、一般車のハンドル高が1mと言う事から、
ヘッドの部分に蝶番を設定し、両輪をまとめるアイデアとなりました。
折り畳み方
折畳蝶番のデザインは、紙上の案や、ボール紙やプラスチック、CADなどを使い順列組合せで30-40種類くらいの仕組みが出ましたが、現在のデザインにまとまるまで、数か月を要しました。
ヘッド蝶番の試作案
そして、特許の申請、構造試作車へとデザインは進みました。
構造試作車
by Summer
2017.01.05 Posted.
it is continuing discussions with holders of the Rouse &##220;TRCLP&88221; unsecured notes. General Growth said the group of bond holders did not achieve the minimum acceptance levels for the previously announced consent solicitation, which expired on March 27. Some of General Growth’s lenders have already moved to foreclose on the company’s mall properties.