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近くのアパートの敷地に、水仙が咲いています。気温は17度。背景にある桃色の花は、残念ながら「桜」ではなく、「あんず」です。
都内もだんだん華やかになってきました。「ゆきやなぎ」も咲き乱れています。
あと1-2週間で、「ソメイヨシノ(桜)」のシーズンです。

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5LINKSは初代が7年前に世に出ました。この時は、そのコンセプトである「折り畳み方」を「形」に表現するために、なるべくシンプルなフレームの構成になりました。以下は、初期プロトタイプと最終プロトタイプの3D画です。

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実際には、前々回のブログで書いたように、メインチューブに「反り」のある楕円パイプを使った構成となりました。

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5LINKSはそのパイプを選択するときに、「快適な握り」を要素の一つとしました。
すなわち、折畳むときには、フレームを「握る」(つかむ)ことが必要になりますが、その「握り(つかみ)心地」が良いように、その太さ、断面の形を考慮しました。
メインパイプの断面形状が完全な楕円ではなく、玉子のような形をした管を選択しました。

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なんとも「よろしい握り心地」を味わえたのです。

工業では、あらかじめ「握るもの」を作るにあたって、作り手やデザイナーはいろいろな配慮をします。
5LINKSの考え方は、「エルゴノミクス形状」と言われるような、そのにぎり心地を視覚的に強調して表現する方法ではありませんが、

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自転車のグリップハンドル

しいて言えば、洋式包丁やナイフのグリップではなく、和包丁の柄のように、目立つ形ではないが、「握るとしっくりくる」と言うような形を目指しました。

洋包丁
洋式包丁

ナイフ
ナイフ

和包丁
和包丁

この考えは、5LINKS2のトップチューブ断面でも、踏襲されています。
断面形状は、逆三角形のような形ですが、

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実際に握って(つかんで)いただくとわかりますが、どなたにも「しっくりくる」と感じると思います。

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初回に引き続き、5LINKSのデザインコンセプトの話です。
先週末も、東京の郊外に出かけました。
天気はあいにくの曇り。気温は14度。それでも川の堤防には「菜の花」が咲き始めました。

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牧草地の脇にピンク色の「緋寒桜」が咲いていました。
背景の、深い緑に対して、きれいな「さし色」になっています。

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日本では古くからファッションなどで、「さし色」のコーディネートを楽しみます。
ベーシックな色に対し、限られたポイント(5%-10%位)に、華やかな色使いをして、メリハリを楽しんだり、自分の内に秘めた美意識を控えめに表現をしたりします。
また、それに対して「粋」という感覚を覚えます。

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「さし色」は一般に「アクセント カラー」として使われていますが、欧米の言葉でいう所謂「アクセント カラー」とは異なると思います。すなわち、基になる色は、日常的でベーシックな、むしろ控えめな色を使うと考えます。
以下のように、欧米の自動車の色使いで、「アクセントカラー」として目立つ色を部分的に使っている例がありますが、これは、ベースの色も華やかな場合が多いと思います。
また、アクセントとしての分量も多い場合があります。

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これらは、日本人が使う「さし色」とは区別するべきと考えます。
昔の日本人は、「日常」に使用する道具や着物に対しては、実用に耐え、質素で、他の人に対して、とりわけて目立つ色ではない「地味」な色を多用していましたが、「晴れ」という特別な日にも、その色調に、「さし色」を使って、自己の「粋」や「気持ち」を控えめに主張しようとした結果生まれてきたコーディーネート・美意識と考えます。
そのような、ベースカラーや、さし色になるビビットな色使いにも、日本の自然の色彩が、大きく影響を及ぼしているのではないか?と考えます。

5LINKSでは、全てのカラーリングではありませんが、その配色に「さし色」の考え方を用いています。
すなわち、街の中を走っているときは、その街に溶け込むような、また、特に人目を引くようでない色を、基本としています。ロゴマークと車体の腹の面に、「さし色」として、目立つ色を使っています。
その一方、自宅で、自転車を折りたたむと、腹の面の「派手」な色が、よく見えるようになっています。
すなわち、車体のオーナーだけが、「さし色」をじっくりと味わう時間を持てるのです。

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もちろん、「5LINKS」のロゴデザインも、自転車を折りたたんで、立てた時に、読みやすいように工夫がしてあります。
「自転車を、積極的に折りたたんで使おう」という気持を表現しています。

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寒い冬の季節、日本の景色は殺風景です。
そのような時期に梅の花が咲くと、思わず花を探すミツハチのように近づいてしまいます。
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近づいて、花と共に、その枝のデザインに注目します。
古い幹の部分のカーブは複雑な形です。
急に折れ曲がったり、下に向かったりします。
先の方の、若い枝は「反り」と呼ばれる緩やかなカーブで多くが上に向かいます。
古い枝から伸びる若い枝のデザインに、生命の躍動を感じます。
古くから、日本の有名な画家は、そのデザインを一枚の絵の中に表現しました。
一方、観客はその構図に、自身の心の中を重ね、鑑賞します。
尾形光琳 梅
尾形光琳 紅白梅図屏風(Kohrin Ogata :Red & white plum)

酒井 梅
酒井包一「月梅図」 (Houichi Sakai :moon & plum)
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古い枝(黄色) 若い枝(赤) Old branches(yellow) Young twigs(red)

私は、古の日本の職人がこの「反り」と呼ばれる緩やかなカーブを、色々な作品に写したのではないかと考えます。

太刀
日本刀の「反り」 (“Sori-curve” of Japanese sword)

鳥居
鳥居の「反り」(“Sori-curve”of Torii-gate)

寺社 屋根
寺社 屋根の「反り」(Roof of the temple’s “Sori-curve”)

自転車のデザインは、その機能で、かなり制約を受けます。
しかし5LINKSのフレームデザインには、自然界にある「反り」の形を取り入れました。
古の職人を見習い、今後は、その完成度をますます上げていきたいと思います。
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5LINKS1 プロトタイプ(5LINKS1 prototype)

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5LINKS1 フレーム(5LINKS1 frame)

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5LINKS2 (Kuro/Momo)
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5LINKS2 フレーム(5LINKS2 frame)

In winter, a cold season, Japanese scenery is out of taste.
When I see plum blossoms blooming in such a season, I cannot help getting closer just like a bee looking for flowers.
Coming near the plum tree, I pay attention to branches as well as blossoms.
The old branches are thick and turn complicatedly.
They bend abruptly, or sometimes they go downward.
Young twigs mostly go upward with a gentle curve called “Sori-curve”.
I feel a pulse of life in the shape of young twigs extending from old branches.
From old days, many Japanese famous painters have expressed the shape in one piece of paintings.
And people watch it comparing feelings of their own with its composition.
I assume that the old Japanese craftsmen imitated the shape of gentle curves called “Sori-curve” to their various works.
Bicycles are considerably restricted in design due to the functions.
Nevertheless I adopted the shape of “Sori-curve” which exists in natural world for our 5LINKS frame design.
Learning from the old craftsmen, I am determined to bring the design much closer to perfection.

寒冬的季節,日本的風景看起來也是冷冷清清。在這時期看到綻放的梅花,我就像一隻尋找花的蜜蜂不由自主的接近。
走近花專注的看了枝頭的設計。老枝部分的曲線是複雜的形狀。突然彎曲或朝向底部。
在往前方ㄧ點,很多幼枝在被稱為「Sori-curve」的曲線中往上伸展。
從老枝延展出來的幼枝讓人感受的到生命的悸動。
從古到今,日本著名的畫家就已經把這樣的設計表現在畫裡。
而觀眾們ㄧ邊鑑賞一邊也把這樣的情境跟自己的境遇重疊。
我認為以前日本的職人就已把所所謂的「Sori-curve」反應在各種作品中。
自行車的設計上因為功能的關係,有很多的限制。
但5LINKS的車架設計引進了自然界裏的「Sori-curve」。見習以前職人的精神,希望能日益提高完成度。

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